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2011. 02. 12  
「実際のところ、行軍装備で長距離を走るって大変なの?」

「はい。我々正規の軍人でもあまり行いません。
 ただフォレフ殿の傭兵隊は良く走っているのを見かけますね」

「つまり、行軍訓練は自分たちの経験に基づいてるってこと?」

「はい。
 傭兵隊は様々な冒険者から構成されていることはご存知だと思いますが」

「まあ騎士だけじゃなく、魔法使いや商人も居るのはわかる」

「はい。
 あの中隊の凄いところは、行軍を行っても脱落者が出ないのです」

「……はあ!?」

「隊長が来られる少し前の話です。
 20キロほど西にオークどもの小規模なコロニーが発見され、
 この砦から制圧のための兵を出しました」

コロニーとはオークたちの前線基地のようなものだと思ってくれれば良いと思う。
我々にとってのこの砦のようなものだ。

オークたちも流石に自分の領域(いわゆるオーク村)から進出するに当たって
いちいち本拠地から出るのは効率が悪いと自覚してるのか
森林地域に点在するようにこうしたコロニーを作っているという。

前線基地のようなものとするのは、
このリーネベルク砦が人間の領域にあるにも関わらず、
かつて開拓村の村民を王都プロンテラに留め置いているのと違い、
オークの女性種や幼生種がコロニーでは確認されていることにある。
(もっとも女性種でも戦闘種であることが多いのだが)

オークにとっては一種の開拓村的な意味合いの場所と考えられるが、
オークウォーリアなどの戦闘種が数多く確認されていることもあって
『基地』と言う概念で分類されている。

「そのコロニー制圧で何が?」

「はい。
 コロニー自体は簡単に制圧できました
 何故ならコロニーに多くの戦力は残されて居なかったのです」

「……それはつまり、
 戦力になるオークウォーリアが居なかった?」

「はい。
 我々が彼らを捕捉していたように、彼らも我々の砦を捕捉していました。
 コロニーの大半の戦力はまさにこの砦への攻撃を仕掛けるべく出払っていたのです」

軍隊が行き違うことは決して珍しいことでは無い。
戦史では撤退する敵軍を追撃していた軍団が
いつのまにか敵軍を追い抜かして、
背後から敵軍の攻撃を受けたなどという例もある。

「コロニー制圧のために大半の戦力を割いたために
 砦に残存していた兵力はおよそ一個中隊ほどでした」

約200名ほどということになる。

「誰かが砦へと先行してオークの襲撃を伝えねばならなかったときに、
 名乗りを上げたのがフォレフ殿の傭兵隊でした」

「話にするぐらいだから、その伝令は間に合ったんだね」

「はい。
 彼らは3時間ほどでコロニーから砦に戻り、襲撃の旨を伝えました」

戦闘装備のまま森林地帯という悪路を3時間で走破したということになる。
当然コロニーから砦まで道があるわけではない。
せいぜい行軍してきた跡がある程度だろう。

「彼らの伝令により砦は防戦体制を整える猶予を得ました。
 オークの襲撃はその1時間後に始まり、
 制圧隊が戻ってきたのは伝令から4時間後でした」

砦の篭城部隊はオークの襲撃を耐え切り、
帰還した制圧部隊との挟み撃ちでオークたちを撃破したと続いた。

「そのとき、フォレフ殿の中隊から行軍による脱落者は居なかったと聞いています。
 体力に優れた者たちと同様に、魔法使いなどの者たちも脱落しなかったと言うことです」

私は元々冒険者であったから
魔術師とかそういう直接戦闘が出来ない職業の連中のこともわかる。
軍曹の言うことが正しければ、
フォレフは魔術師たちが脱落しないように考慮しながら
短時間の行軍を成し遂げたということだ。

私は話を聞いて頭抱えたくなった。
フォレフたちの中隊と同じようなことが果たして私の部隊でも可能なのだろうか。

……いや。
可能であるからフォレフは私にそれを勧めたのであろうし、
それが可能でなければこの対オークの戦線では
生き延びることが出来ないということなのだろう。

私は腹を括った。

「軍曹。
 明日、あの子たちと話す機会を設けて欲しい」

「はい。
 了解しました」

実際の戦場に出る前にやれることはやらないといけない。
それでも死人が出るのが戦争と言うものなんだろうけど、
私はそんなものを認めたくはない。
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続きをまってました!楽しみにしてますのでがんばってください!
ありがとうございます。

ちょっと立て込んでて更新が思うようにできてませんが
頑張って行きたいと思います。
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