2010. 11. 04  
「いいよ。引き受けた」

「え?」

我ながら間抜けな顔をしていたと思う。
それくらい拍子抜けしたのだ。仕方がない。

リーネベルク砦の傭兵隊宿舎に私は赴いていた。
少年兵ばかりで構成された私の部隊は実戦に絶えうるものではない。

しかしここは対オーク戦線の最前線だ。
オークの襲撃があれば、未熟な少年兵であろうと何であろうと
戦争という鉄火場に放り出される。

勝率は限りなく低いにもかかわらず、
レートは己の命。
しかも勝った所で得られる物はないに等しい。

今思えば、私は激怒していたのだ。
何に?
こんな状況を作り出した奴にだ。

それがプロンテラ軍の上層部なのか
それとも天の采配なのかは知らないが。

いずれにせよ
私が出来ることと言えば悪足掻きしかない。

それでもなお無駄に足掻こうというのだ。
そんな輩は馬鹿か阿呆のいずれかだろう。
まかり間違っても善人(いいひと)などではない。

今の状況は例えるならば
『大貧民(大富豪)』の大貧民といった所か。

しかも次の勝負のために配られた札には絵札すらもない。
その手札で負けない勝負をするのが私の仕事だ。

足掻くからには持てる機会を最大限に利用する必要もある。
だが、このとき私がとった行動は無謀の一言に尽きる。

『大貧民』では富裕層が貧困層から強い手札を搾取するルールがある。
(正確には富裕層のカス札と交換するのだが)

そのルールで例えるならば、
大貧民の私が大富豪に訴えたのは搾取を取り消すならまだしも
強い手札を寄越せと要求したようなものだ。

その結果が、
先ほどの言葉である。

私は馬鹿の類だろうが
相手はさらに上を行く大馬鹿だった。
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