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2009. 10. 08  
「侵入者が研究区画に逃げ込んだだと?」
 三十代後半の鎧姿の男が、部下の報告に眉を顰めた。
 ここは遺跡内部の一室。かつては戦闘指揮所として使用されていたと推測されている場所だった。
 指揮所には遺跡内部の全容を示すマップがジュピロス文明の遺産によって腰あたりに投影されている。
 ところどころに黄色の光点が点在している中、男の視線はその中でひとつだけ離れたところにある光点に向けられていた。
 先ほどまでは侵入者を示す赤い光点として浮かび上がっていたが、どういうわけか彼らは、研究区画に正規の方法で入室したため、侵入者として表示できなくなっていた。
「研究区画は鍵がなければ入れないはずだが…奪われたのか?」
「は。いいえ。鍵を所持している者を全員確認しましたが、奪われた者は居りません」
「となると、奴らも鍵を持っていたということか」
「は。小官もそのように考えます」
 この遺跡に乗り込んできた正体不明の侵入者たちが都合よく鍵を持っていたなど信じ難いことだと男は思うが、今の自分の配下にいる者たちはある目的のために自ら志願してきた者たちだ。
 便宜上として自分が指揮を執ってはいるが、彼らを同志だと考えている。その報告に虚偽の報告があるほうがなお信じ難い。
 しかしそのようなことは詮無きことだ。今は何よりも優先させねばならないことがある。
「動かせる人員を研究区画に集結させろ。アレの確保を最優先目標とする。
 アレを侵入者の手に奪われることは、何としても避けろ。
 私も追って出る」
「ヤーヴォール!」
 部下は敬礼と共に返答した。

 室内に入った三人の冒険者たちはティーフの持つ杖に燈された、魔法の灯りを頼りに部屋の奥へと進んだ。追っ手はやり過すことが出来たのか、それともここへと入る鍵を持っていないだけなのかは不明だが、部屋に入ってくる気配などは感じられない。
 部屋は用途の判らぬ機材がそこかしこに配置されていて、どれもこれもが沈黙していたが、唯一部屋の一番奥にある機械の周辺だけ、僅かながらの照明に照らされて、闇の中で一際浮かび上がっている。三人は興味を惹かれてそちらへと向かう。
 近づくと斜めに傾いて設置された棺桶くらいの箱型の機械だということが分かった。その周囲では緑色の小さな光が明滅し、それに合わせるように、定期的にピッピッと奇妙な音が鳴り響く。
「何か書いてあるね」
 棺桶の表面には文字と数字らしきものが刻まれているが、恐らくは古代文字なのだろう。生憎とシィルビアとフォレフには、それがなんと書かれているのか解らない。数字だけは現在も使用されているものと大して変化がないので『07』とだけわかった。
「……ユミル…だと?」
 呆然とした声でティーフが呟いた。

(未完)
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