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2009. 07. 01  
「さて、状況を確認したい」

数日が経過した夜。
私は軍曹、ウォルター、ハンナを集めてそう告げた。

「まず軍曹。調練の具合を聞きたい」

「ハッ。まるでダメですな」

ある程度予想できたことだが、容赦ないなこの男。

「全員、開拓村出身ということで農作業経験から同年代の連中に比べれば体力はあります。しかしそれはあくまで民間人としてのレベルの話です」

「兵士としては不足か?」

「ハッ。年長の…16、17のヤツラはギリギリ及第点です。鍛えて伸ばす必要はありますが。しかしそれ以下のは…」

大人の兵士ともなれば多少の年齢差は気にかけるほどでもないが、私の隊の子供たちはいわば成長期の真っ盛りだ。年が1つ違えば、できることも天地ほどに違う。
かと言って、替えがきくわけでもない。

「軍曹、引き続き調練を続けろ」

ただそう告げる。

「ハッ」

疑問を返すわけでもなく、軍曹は短くそう答えた。
持ち札が限られている以上、その手持ちの札を使いこなさねばならない。
使いこなすためには、使えるようにせねばならない。
だから年齢如何に関わらず、体力だけでも大人の兵士並に整えねばならないのだ。

「訓練では事故でもないかぎり人はそうそう死にません。しかし訓練不足の兵は戦場では必ず死にます」

軍曹が見透かしたようにそう言う。
私は黙って頷いた。
次にウォルターを見やる。

「ウォルター。おまえに任せたほうはどうか?」

「上々です、とりあえず、だいたいのもんは輜重隊から手に入りますぜ」

「ひよっこたちの装備の類は可能か?」

「ん、なんとかしましょう
 最新の…とは行きませんが、使えるレベルのもんは取ってきますわ」

「頼む。装備でカバーできるならそれに越したことはないからな」

当然それを使いこなすだけの技量は必要になるが、それは訓練を重ねるよりない。

「ハンナはどうか?」

「はい。隊長つきの司祭殿はもう大丈夫です。あとは、隊員から数名ほど技術指導を受けさせたいと思います」

「うむ…あ、そう言うのって幼い連中でも出来るか?」

ふと思いついた事を口にする。
幼年層を戦う兵士としてではなく、衛生兵として訓練できないかと思ったのだ。
しかしハンナは首を横に振る。

「はい。いいえできません。衛生兵は時として負傷した兵士を担ぎあげて移動することもあります。普通の兵士より体力も要求されるんです」

「しかし…」

司祭であるミオは回復魔法などには長けているが、体力については乏しいはずだ。

「はい。隊長のおっしゃることはわかります。司祭殿には体力づくりに励んでもらうように指示しています。それに衛生兵は誰もが回復魔法を使用できるわけではないのです」

なるほど。
回復魔法を使用できる司祭は戦場では慢性的に不足している。
となれば、衛生兵は魔法ではなく、薬などで治療を行う者たちがほとんどだ。
回復魔法で負傷者の傷を癒せば自力で安全地帯に逃れることも出来ようが、
普通は安全に治療ができるところまでは、負傷者を衛生兵が運ばねばならない。

「問題は山積みだが、我々はそれをこなすより他ない。各員はそれぞれの担当を改めて頼む」

「「「ハッ!」」」」

できるだけのことを続けるのは当然だが、何か改善する余地もあるのかもしれない。
こういう場合は当事者だけではなく、外から見られるヤツが必要だと思う。

私は三人と別れると、ある場所へと向かった。
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