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2007. 09. 03  
さてどしたものかな。

尋ねた身ではあるものの、どう切り出せ場いいものか・・・
彼にして見れば、私はまだ入ってきたばかりの得体の知れない人物に過ぎない。
まったくテンションに任せて突っ走るなんて、私もまだまだ未熟だな。

ランドルフは私の言葉を待っている。
仕方がない。腹を括ろう。

「この部隊の兵士を鍛え上げる相談に乗って欲しい」

私の申し出はさほど驚くことではなかったようで、ランドルフの表情に変化はない。ただ怖いくらいにまっすぐな視線が向けられた。

「失礼ながらお聞きします。どういった心境の変化ですか。昼間に説明申し上げたときは、あまり乗り気ではなかったようですが」

うーん。そうだよなあ。
私は子供の兵士なんて在って良いものだとは思わなかったしな。

「私は正直なところ、この部隊の兵士たち、いや子供たちを戦場に出すのなんて正気の沙汰ではないと思っている。しかし今思うのは、存在する以上、彼らは戦場に出ざるを得ない。ならば少しでも生き残れる可能性上げるための、術と経験を教え込むことが私が今ここに在る意義なのだと考えた」

ランドルフの図るような目つきに変わりはない。
さすがに歴戦の兵士だ。私のような騎士候補を山ほど見てきたのだろう。そして故あれば、排除してきたことも考えられる。
無能な指揮官の下に付くほど不幸なことはない。

彼の持つ術と経験の一部でも、この部隊の子供たちが得ることができれば、戦場における生存率は飛躍的に上がるだろう。

「何故、そのように方針を変えたのかお聞きしてよろしいですか?」

「この砦に古くから友人たちがいてな」

「傭兵部隊の指揮官殿と補佐の魔術師殿ですな」

「・・・知ってるのか?」

「ここは前線ですから、強い戦士の話題には事欠きませんので」

つまり注目に値する働きをしているわけだ。あのふたりは。
まあそれは置いておいて。

「彼らと話をして、この部隊の兵士たちの身の上を聞いた。子供とは言えど、志願兵だ。ましてやこの前線で遊ばせておく兵士などいはしまい」

ランドルフが微かにうなづく。

「今のままではただの捨て駒にされかねん。だが、そんなことを私は断じて認めない!ならばどうすれば良いか」

「それで、兵士として鍛え上げたいと・・・」

「私は冒険者としての戦い方と生き方を知っているつもりだ。貴方がたは兵士としての戦い方と生き方を知っているだろ。それを彼らに与えたい。戦わせるためにではなく、生き残るための術を」

私の言葉に、何かを考え込むようにランドルフが沈黙する。
そしてしばらくしたのちに、彼は決意を秘めた目を私に向けた。

「わかりました。しかし小隊長・・・彼らの恨みを一心に受ける覚悟はありますか」

・・・・・・恨み?
どういうことだろうか。
しかし、それに怯んでいては事は成せない。

「構わない。慕われて死なれるよりは、恨まれて生き残ってくれている方が良い」

ランドルフは深く息をつくと立ち上がった。

「?」

「しばしお待ちいただけますか。ウォルターとハンナを呼んで参ります。今後の話をするなら、彼らの協力も不可欠です」

「わかった。よろしく頼む」

ランドルフは敬礼をして部屋から出て行った。

「ふぅ~」

どうやら、第一関門は突破と言うところだろう。
古参兵士の協力は確かに不可決だ。そのためにまず、まとめ役であるランドルフに話を持ちかけたのだ。

そして、私はふと気が付いた。
ランドルフが私に敬礼をしたのって初めてだったなと。
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