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2014. 12. 31  
こんな夢を見た。

私は大陸にいた。
古い城壁を持つ街には
土煙色の軍服を着た兵士たちが
アチラコチラに見える。

陸軍か。
心のなかで舌打つ。

そういう私も雇い主は陸軍だったのだが。
傲慢な雇い主が大好きな奴など
サラリーマンでもいやしないだろう。

きょうびサラリーマンより
飼い犬のほうがよほど幸せだ。

そう思っていると、雨が降ってくる。

見上げれば青と鉛色が混じったような空が
陽が落ちかけて陰を増しつつあった。

雨の中を歩く趣味はない。
手近な古道具屋にはいる。

「傘をくれない?」

煙管を吹かしていた店主が
無言のままに店の片隅を指さす。

指した方向に青い傘があった。
手にとって広げてみる。

傘布がやたらと凝った模様で出来ていた。
いかにも大陸らしい柄。

ただ使い込まれているのか
やたらと色褪せている。

どうしようかと少し考える。
色あせてはいるが柄はすごく好みだった。

「これいくら?」

即身仏を連想させる店主は
ボソボソと値段を口にする。

傘としては高い。
美術品としてみれば安い。

結局言われた値段のままに買う。

雨は降り続いていたが
買った傘を使う気にはならない。

とは言え、傘の長さのまま持ち歩くのも邪魔すぎる

私は店主にこの場で
傘から傘布を剥がしてもいいかと尋ねた。

店主は無言のまま煙管を吹かす。
私はそれを承諾だと受け取った。

雨音をBGMに作業に入る。
持ち歩いている道具で傘の解体は事足りた。

傘布を畳んで鞄の中へと入れる。
この中なら濡らすことはない。
骨は…まあ買ったものだし持って帰るか。

店主に礼をいうと雨が降り続く外に出た。

コートの襟を立てて歩きながら
ふと何のために店に行ったのか思い出して
思わず吹き出した。

冬の大陸の雨はことのほか冷たく感じる。

帰ったらストーブに火を入れて
お湯を沸かして茶でも飲もう。
久々に風呂を沸かすのもいいかもしれない。

ここのところ忙しくて
カラスの行水のようなシャワーしか浴びてない。

風呂は日本人の心だよなと
心のなかの帝国議会が満場一致で可決する。

その高まった気分に水を差すように
争う声が聞こえてくる。

見れば現地人の女性と
我らが皇軍兵士たちがもめている。

はぁ~と深く息を吐く。
よそ者はよそ者らしく
借りてきた猫のようにしてればいいものを
何故トラブルを巻き起こすのか。

しかもなんで私は仲裁しないととか思うのか。
仕事だからです。

両手の人差し指で唇の端を無理くり持ち上げる。
大丈夫。笑顔笑顔。

兵士たちに声をかけると
剣呑な表情で振り返ってくる。
おお怖い怖い。

兵士たちの相手は現地人の女性。
年齢は若くない。
明らかに我々が嫌いですって顔をしている。

そりゃあそうだ。
自分の故郷で外国人が好き勝手してりゃあ
誰だってそいつらを嫌いになる。

邪魔するなみたいなことをいう兵士たちに私の身分を証す
一様に驚いて毒気が抜けたような顔になる。
どーも、観月刀古陸軍大佐です。

まあ大佐同等の権利を有するってだけだけど。

上の者には弱く、下の者にめっぽう強い
典型的な兵士諸君は突如として秩序正しく立ち去っていった。

さてと。

女性にすみませんねと謝罪しつつ
一応仕事なんでと何が有ったのか聞いてみる。

女性兵士がいたの?と聞いてきたので
にへらと笑って受け流す。
んなこといいから、こっちの聞いたことを答えろよ。

笑顔で意味を察したらしい。
ハッとした後に事情を説明し始めた。

街を歩いていたら、
兵士たちに呼び止められて
怪しいからと連れて行かれそうになったと。

異国の軍隊がうろちょろしている街中を
女性一人で歩くのは怪しまれてもしょうがないね。
と言っておく。

特にこの街では市民に混じって便衣兵が跋扈し
それなりの被害が出ている。

まあそれだけじゃないだろうけど。
兵士は戦いに倦んでいる。

女性は若くはないがそれなりに容姿であったし
そういう目的でかどわかそうとしたことも否定はできない。

大規模戦闘においてはこちらが勝利し
この街は我が陸軍の統制下。

勝者の傲慢は何時の世にもある。
その陰で弱者は泣かされるほかない。
弱者は弱者なりに生き延びるには
したたかさが必要なのよね。

で、なんで街をひとりで?ときくと
探しものをしているのだという。

彼女は前王朝時代の名家の一族で
大陸の混乱で一時は没落したが
彼女の父が時代感覚溢れる人でうまく時流を掴み、
生活に不自由しない程度の暮らしを営んでいるそうな。

で、没落時に手放した品を
少しづつ買い求めているのだという。
そういうのは関心しないけどねえ。

この辺りの古道具屋に
それらしきものがあるという話を聞いて
やってきたらしい。

古道具屋?
もしかしてこういうものだったりする?

先ほど購入した品について話してみる。
彼女は驚いたように、それだという。
マジかよ。

とりあえず、雨のなか広げるのもあれだから
城門のところに行こうかと提案すると承諾された。

しばらく歩いた後に、大陸式の城門へと辿り着く。

トラックや馬車がひっきりなしに行き交っている。
陸軍のものもあれば民間のものもある。

この街を落とした陸軍は
近々南へと進軍するという話を聞いた気がする。
そのための物資を集積させているのかもしれない。

城門の雨の当たらない場所を探しだし
鞄の中から傘布を取り出す。
残念ながら少し濡れてしまったみたいだ。

ふと気がつく、
さっきはなかった模様が浮かんでいる。

何だ?
よく見てみようと光のある方へと持っていってとき

背後から軽い破裂音が聞こえた。
同時に右肩が異様に熱くなる。

銃撃?撃たれた?

とっさに転げまわると
2発3発と銃撃が地面に突き刺さる。

物陰に逃げ込んで銃弾が飛んできた方向を見ると
あの女性が煙が立ち上る拳銃を手にしながら
私が手放した傘布を拾い上げていた。

こんな夢を見た。

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