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2014. 11. 05  
(幕間)

「ねえ…どうしようか? どうしたら良いと思う?」

独逸海軍より鎮守府に着任しているZ1型駆逐艦、レーベレヒト・マースは、同型艦のマックス・シュルツの袖を掴みながら困惑の声を上げていた。

遥か遠い独逸より対深海棲艦における同盟と友好の証として日本にやってきた彼女たちは、提督の指揮下にありながらも完全にその幕下に入れられたわけではなく、他の駆逐艦のように特定の編成がなされたことはない。

主には損傷などによって員数の不足した駆逐隊に、提督の指示によって助勢として参加することが多かった。
しかし提督のいない今は、この二人に指示を出すものはいない。

提督代理に任命された吹雪を指示者として頼めばいいのかもしれないが、忙しく立ちまわる吹雪にわざわざ尋ねていいものなのか。

「本国からは、変わらず提督に従えということよ」

「でも、提督はいないし…フブキに聞かないとダメなのかな…」

「レーベ、なにもしないという選択肢もあるのよ」

「マックス…何を言って…?」

「私たちはニホンのクチクたちのように正式な部隊に配属されていない。だから私たちは指揮から外れているという考え方もできるわ」

マックスのいうことは間違っていない。
でも鎮守府の艦娘たちとは半年近くの時間を一緒に過ごし、それなりに交流も深まっている。
この危機的状況において、なにもしないといういうことを選べるはずもない。

「それは…違うと思う」

「どうして?」

「ニホンのカンムスたちは僕たちのことを仲間だと言ってくれた。仲間だから、僕たちも彼女たちを助けないと」

「それが、あなたからの指示と受け取っていいのね?」

「指示って…マックスの意見を聞かせてよ」

「我が独逸の上位艦種がこの鎮守府にいない以上、私たちの関係はあなたが先任。私はその指示に従う。違う?」

「それはずるいよ!」

レーベの抗議の声を受けながら、マックスは無表情のまま言葉を返す。

「ずるくないわ。私はあなたのしたいことに従うと言っている。レーベ、あなたはどうしたいの?」

「僕は…みんなと一緒に戦いたい。ここはフブキの言うような僕らの家ではないけど、僕たちの戦友がいるんだから」

「了解したわ。じゃあ、戦うための支度をしないとね」

「それが問題だよね…誰か巡洋艦の人を見つけないと」

二人は艤装の保管されているドックに向かって走りだした。
その刹那、角から現れた人影とぶつかりそうになった。

「あ、危ないではないか!」

その人影は那智だった。

「ご、ごめん」

那智はぶつかりかけた相手がレーベとマックスであると気がつくと少し思案してから口を開く。

「Z1とZ3か。お前達は本土防衛戦に参加できるのか?」

「そのつもりだよ!」

「本国からも許可を得ているわ」

その回答に、那智がその口元に笑みを浮かべる。

「そうか。お前たちの協力に鎮守府の艦娘を代表して感謝する。お前たちは定数の足りない部隊の助っ人に回ってほしい。詳しくは第3ドックにいる長良に指示をしてある。そっちに合流してくれ」

「わかったよ。ありがとうナチ」

那智に礼を言うと、二人は第3ドックへと向かって再び走りだす。

「よかったわね」

「うん。僕たちもちゃんと役割が有ったね」

役割が用意されていたことが何よりも嬉しい二人だった。
居場所が有ることは、客員ではなく、彼女たちもこの鎮守府の一員であると言うことの証であるのだから。
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