--. --. --  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2007. 04. 16  
「年齢的に低いのがそんなに気になります?」

そう言ったのはフォレフだった。
口調といい表情といい、どこか不満気な態度が気にかかる。

なにがそんなに気に食わないのかはよくわからないが、
私にだって思うところはある。

「子供は守られる存在であるべきだ」

そう言い返した。

「子供というのは年齢で決まるものなんですか?」

……何を言っているのだろうか。

「んーつまりさ」

いつのまにかティーフが側にやってきていた。

彼が先ほどまでいた舞台の上では、
本職の吟遊詩人がテンポの早い曲を弾いて場を盛り上げようとしているが、
その様子はどうもやりにくそうな感が否めない。
加えて周囲の酔客たちも、どこかシラケた雰囲気でそれを聞き流していた。

ティーフはバーテンからグラスを受取って一口呷る。
そして私の方に向き直ると口を開いた。

「戦うことを決めた者は子供として扱うべきじゃないって言ってるんだよ。
 コイツは」

同意するようにフォレフが頷く。

「難民という立場の手前、今日の食事にさえ事欠く生活から抜け出すために、軍に志願したのかもしれない。
 でもあいつら見てるとさ。例外なく思うのは、皆が皆、戦うためにここにいるって覚悟が見えるんだよ。
 年齢はどうあれ、あいつらは自分たちでここに来ることを選んだんだ。死ぬかもしれない覚悟決めてな。
 自分の行く道を自分で決めて来る奴は子供じゃあない。
 だから年齢がどうあれ、あいつらを子供と扱うのはどうかと思うぞ?」

正直ティーフの言葉は納得できるものではない。

「子供は子供だ。だから大人は彼らを守る義務がある」

「……ただ救うだけで済まそうとするのは自己満足でしかねえよ」

「なんだと?」

「救われただけで『めでたしめでたし』で済むなんざ、お気楽な英雄叙事詩だけだ。
 その後も救われた連中は生きてくんだ。それをお前は忘れてる」

英雄叙事詩は勲詩だけが語られる。
英雄の活躍で、虐げられた人たちが救われたならめでたしめでたしだ。
しかし、救われたその人たちのその後を語るものはない。

彼らは永遠に幸せに過ごしたのか?

そんなことはありえない。
とかく世の中は生きているだけでも困難だ。

救われた人々は、その困難をどうやって乗り越えたのかだろうか。

フォレフ=L=ペンドラゴンは言う。
「救われただけの人間は、また新たな困難に押しつぶされるだけでしかない」と。
それはつまり、彼らだけで困難を乗り切るため術を持たないからだ。

私の部下となった少年少女は、それで良しとはせず、
自らの持てる力で新たな困難に立ち向かおうとしているのだ。

その覚悟を持つ者たちを、なんで子供などといえようか。
スポンサーサイト
カレンダー
これまでの読者
ブログ内検索
アクセス解析

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。